アサーションとは?具体例やトレーニング方法と活用シーンを解説

「アサーションって何?」
「アサーティブコミュニケーションってどういうこと?」
アサーションは、
自分らしく生きるのに必要不可欠なスキルであり
ハラスメント防止にも役立つスキルです。
令和の現代社会を生きるには
知っておいて損はない!
ということで、一緒に見ていきましょう。

トレーニング方法や
活用例をチェックしておけば
ご自身の人生とどう関係するのか?
想像しやすいと思います!
アサーションとは


アサーション(Assertion)とは、
自分の気持ちや考えを大切にしながら、
同時に相手のことも尊重して伝えるコミュニケーションスキル。
日本語では「自己主張」と訳されることもありますが、
アサーションは単に自分の意見を押し通すことではありません。
ここで大切になるのが
「アサーティブ(Assertive)」という姿勢です。
アサーティブとは、
攻撃的でもなく、我慢しすぎることもなく、
誠実で対等な立場で伝える在り方を指します。
たとえば、
・言いたいことを飲み込んでしまう
・逆に、強い言葉で相手をねじ伏せてしまう
このどちらでもなく、
「私はこう感じている」
「私はこうしてもらえると助かる」
と、自分を主語にしながら
相手の立場や感情も大切にする伝え方が
アサーティブなコミュニケーションです。



人間関係のストレスを減らし
本音を伝え合うために
とっても大切なスキルですね!


アサーティブコミュニケーションとは


アサーティブコミュニケーションとは、
自分の気持ちや考えを正直に伝える「自己主張」をしながら
相手と対等な立場でやり取りをする
コミュニケーションのことです。
ここでいう自己主張は、
わがままや押し付けではなく
お互いを尊重した自己表現を意味します。
アサーティブなコミュニケーションでは
「自分が上か下か」「どちらが正しいか」ではなく、
対等な関係性であることが大切なんですね…!
自分の意見や感情を大切にするのと同じように、
相手の考えや感じ方も尊重する。
その前提があるからこそ、
安心して本音を伝え合える関係性が築かれていきます。
また、
人にはそれぞれ無意識に身につけてきた
自己表現タイプがあります。
我慢しがちな人、
強く言い過ぎてしまう人、
空気を読みすぎる人など…
そのタイプはさまざまです。
アサーティブコミュニケーションは
「どのタイプが良い・悪い」と評価するものではなく
より自分らしく、
より心地よい伝え方を選び直すための考え方でもあります。
自分の自己表現タイプを知り、
必要に応じてアサーティブな自己主張を選べるようになれると
人間関係は一方的に我慢するものでも、
ぶつかり合うものでもなくなっていくかも…!



相手だけでなく
自分も大切にするって
素敵な考え方ですよね。


アサーティブコミュニケーション例:ドラえもん
アサーティブコミュニケーションを理解するために、
ドラえもんの登場人物を自己表現タイプの例として見てみましょう。
それぞれのキャラクターは、
私たちが日常でついやってしまいがちなコミュニケーションの特徴をよく表しています。
のび太:受け身タイプ(非主張的)
のび太は、自分の気持ちや意見をうまく伝えることが苦手で、困るとすぐに誰かに頼ってしまいます。
「どうせ僕なんて…」と、自分の考えを飲み込んでしまうことも多く、自己主張が弱いタイプと言えます。
このタイプは争いを避けられる反面、我慢が溜まりやすく、対等な関係性を築きにくいという特徴があります。
ジャイアン:攻撃的タイプ(強い主張)
ジャイアンは、「俺の言うことを聞け!」と力で押し切るような伝え方をします。
自分の意見ははっきり言えるものの、相手の気持ちや立場への配慮が少なく、自己主張が強すぎるタイプです。
このタイプは一時的に言うことを通せても、相手との関係性にヒビが入りやすく、長期的には孤立しやすくなります。
しずかちゃん:調整・配慮タイプ(やや受け身寄り)
しずかちゃんは、場の空気を読んで周囲を気遣い、衝突を避けようとする傾向があります。
自分の意見よりも「みんながどう思うか」を優先しやすく、優しいけれど我慢しがちな自己表現タイプです。
このタイプは人間関係を円滑にしますが、自分の本音を後回しにし続けると、疲れやすくなってしまいます。
ドラえもん:アサーティブタイプ
ドラえもんは、のび太を思いやりながらも、何でも引き受けるわけではありません。
「それは自分でやるべきだよ」
「ここまでは手伝うけど、全部は無理だよ」
と、自分の考えや限界をきちんと伝えます。
これは、相手を否定せず、でも自分も犠牲にしない、対等な立場での自己主張。
ドラえもんは、関係性を壊さずに本音を伝える、アサーティブコミュニケーションを体現している存在です。



ドラえもんって
バランス良く様々なタイプがいるのだと
改めて感じますよね。
あなたはどのタイプが近いですか??
どれも悪いわけではありませんが、
中長期的に健やかな関係性を築くには
ドラえもん型のアサーティブな自己表現が鍵になるんですね。
アサーティブコミュニケーションとは
「性格を変えること」ではなく、
状況に応じて、より自分と相手を尊重できる伝え方を選べるようになること。
あなたの中にも、
のび太・ジャイアン・しずかちゃん・ドラえもん、
すべての要素があるはずです。
まずは自分のクセや
普段やりがちな伝え方を知ることが大切ですね!


なぜアサーションは難しい?原因4選


アサーティブコミュニケーションは
「自分も相手も尊重する」
理想的な伝え方です。
それでも実践が難しいと感じる人が多いのは
やり方が分からないからだけではありません。
多くの場合、
これまでの経験や育ってきた環境が深く関係していると考えられます。
原因① 自己主張すると「嫌われる」と感じてしまう背景
子どもの頃から、
「空気を読みなさい」
「我慢するのが大人」
「波風を立てない方がいい」
と言われて育ってきた人ほど、
自己主張にブレーキがかかりやすくなります。
本音を伝えることが、
=わがまま
=迷惑
=関係性を壊す行為
だと無意識に学習してしまうと
そもそも伝えることを諦めてしまいがちです。
原因② 強く言わないと伝わらない環境にいた経験
一方で、
・声の大きい人が得をする
・強く言った方が勝つ
・正しさを押し通す人が評価される
そんな環境に長くいると
「穏やかに伝えてもどうせ聞いてもらえない…」という感覚が身につきます。
その結果、
自己主張=強く言うこと
という極端な自己表現タイプになりやすいんですね。
これは性格の問題ではなく、
身を守るために身につけたコミュニケーションなのです。
原因③ 対等な関係性を経験してこなかった
アサーティブコミュニケーションの前提には
「人は対等である」という感覚があります。
しかし現実には、
・上下関係が強い職場
・立場によって発言力が大きく違う家庭
・感情を出すことが許されなかった関係性
こうした環境で過ごしてきた人ほど
「対等に話す」イメージ自体が持ちにくい…!
どちらかが我慢するか、
どちらかが支配するか。
そんな関係性が当たり前になると、
アサーティブなやり取りは
ただの「理想論」に感じてしまうんですよね…!
原因④ 自分の気持ちが分からなくなっている
長年、我慢ばかりだったり
他人を優先してきた人ほど、
「本当はどうしたいのか」
「何が嫌だったのか」
がよく分からなくなっていることも少なくありません…!
アサーティブコミュニケーションは、
まず自分の気持ちを認識することが土台になります。
その土台が育っていないと、
伝えようにも言葉が見つからないというケースも。



アサーティブコミュニケーションが難しいのは
あなたの性格が弱いからでも、未熟だからでもありません!
それは、これまでの環境の中で身につけてきた自己表現タイプが無意識に発動しているから。だからこそ、アサーティブになることは「矯正」ではなく、新しい選択肢を増やすこと!
意識的に使えるようになれたら最高です


アサーショントレーニング:DESC法


アサーティブコミュニケーションは
知識として理解するだけでは
なかなか身につきにくいのも事実…!
だからこそ大切なのが、
アサーショントレーニングです。
これは、
言いづらいことを感情的にならず、
かつ関係性を壊さずに伝える練習方法です。
その中でも
特に実践しやすい方法として知られているのが
DESC法(デスク法) です。
DESC法は、
伝えたいことを4つのステップに分けて整理することで、
自己主張が苦手な人でも
落ち着いて伝えやすくなるフレームワークです!
D:Describe(事実を描写する)
まずは、
感情や評価を入れずに、
起きている事実だけを伝えます。
「いつ・どこで・何が起きたか」を
淡々と表現するのがポイントです。
例:
「最近、資料の提出が締め切りを過ぎることが続いています」
E:Express(気持ちを表現する)
次に、
その事実に対して
自分がどう感じているかを伝えます。
ここでは「私は〜と感じている」と
自分を主語にすることが大切です。
例:
「そのことで、正直少し困っています」
S:Specify(要望を具体的に伝える)
続いて、
「どうしてほしいか」を
具体的に伝えます。
曖昧な表現ではなく、
行動レベルで伝えるのがコツです。
例:
「今後は、締め切り前日までに提出してもらえると助かります」
C:Choose(選択肢・結果を示す)
最後に、
要望が叶った場合・叶わなかった場合の
結果や選択肢を伝えます。
これは脅しではなく、
現実的な影響を共有するステップです。
例:
「そうしてもらえれば、こちらも余裕を持って確認できますし、
もし難しい場合は、別の進め方を一緒に考えたいです」



冷静で落ち着いていることが
とっても重要ですね。
これなら建設的な会話ができそう…!


DESC法が「言いづらいこと」に向いている理由


言いづらいことほど、
・感情が先に出てしまう
・言い訳っぽくなる
・我慢して結局言えなくなる
ということが起こりがちですよね…!
DESC法は、
感情と要求を整理してから伝えるため、
攻撃的にも受け身にもならず、
対等な関係性を保った自己主張がしやすくなる構造なんです。
また、
「うまく言わなきゃ」と
完璧を目指す必要はありません。
大切なのは、
自分の気持ちを尊重しながら、
相手にも配慮しようとしている姿勢・スタンスです。
アサーショントレーニングは、
一度で完璧にできるものではありません。
小さな場面で、
短い一言から試していくことで
少しずつ着実に身についていきます!
言いづらいことを我慢し続ける関係性ではなく、
安心して本音を伝え合える関係性を育てるために…!
DESC法は、
その最初の一歩としてとても心強い方法です。



特に遠慮しがちな人や
ケンカになりやすい相手がいる方は
身に付けられると
人生が変わるレベルで重要なスキルですね…!


アサーティブコミュニケーション活用シーン


アサーティブコミュニケーションは、
職場や家族、恋愛・パートナーシップなど、
関係性が近くて壊したくない場面ほど力を発揮します。
共通しているのは、
「言わなければ苦しい…」
「でも、言い方を間違えると相手を傷つけてしまいそう…」
そんな葛藤があるシーンです。
職場での活用シーン
職場では、
立場や役割の違いから
本音を飲み込みやすくなりがちです。
「忙しそうだから言えない…」
「角が立ちそうで我慢してしまう」
そんな状況が続くと、
知らないうちに自己犠牲にならないと回らない働き方になってしまっていることも…!
DESC法を使えば、
事実 → 気持ち → 要望 → 選択肢
を整理して伝えられるため、
感情的にならず、
相手を責めずに自己主張ができます。
それは、
相手をコントロールするためではなく
自分も相手も無理をしない関係性をつくるための伝え方。
結果的に、
相手を傷つけずに
建設的な話し合いにつなげることができます。
恋愛での活用シーン
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「嫌われたくない」
「重いと思われたくない」
という気持ちから、
本当はつらいのに笑って流したり、仕方なく受け入れてしまうことも少なくありません。
しかし我慢を続ける関係は、
どこかで歪みが生まれます…!
アサーティブコミュニケーションは、
自己犠牲にならない愛し方を選ぶための大切なスキルです。
DESC法を使うことで、
「あなたが悪い」ではなく
「私はこう感じている」
「こうしてもらえると嬉しい」
という形で伝えられるため、
相手を責めることなく、本音を共有できるんですね。
自分の気持ちを大切にしながら伝えることは、わがままではありません…!!
それは、相手を傷つけないための誠実な自己表現でもあります。
職場でも恋愛でも、
アサーティブコミュニケーションが目指すのは、
「我慢するか、ぶつかるか」の二択ではないんですね。
自分を大切にしながら、相手も大切にする。
そのための現実的な方法として、
DESC法は日常のさまざまな場面で活用できます。



毎日顔を合わせるような
近しい関係性の相手ほど
感情的になってしまいがち…
そんなとき、一呼吸おいて
伝え方を意識したいですね…!
本の紹介:マンガでやさしくわかるアサーション
言いたいことがなかなか言葉にしづらい今の世の中で、心理療法としても、日常のコミュニケーションスキルとしても必要にされているテーマです。
本書は、アサーションの第一人者として活躍する著者によるわかりやすい解説とストーリーマンガのサンドイッチ形式でアサーションの基礎を楽しく学べます。
まとめ:アサーションでもっと自分らしく豊かな人生へ


アサーティブコミュニケーションは、
「上手に言い返すための技術」でも
「強くなるための方法」でもありません。
それは、
自分の気持ちを大切にしながら
相手とも誠実につながるための在り方です。
我慢し続ける関係でも、
ぶつかり合う関係でもなく…
「自分はどう感じているのか」
「本当はどうしたいのか」
を丁寧に扱いながら伝えていくこと。
自分らしい自己表現を選び直すこととも言えますね!
自分を尊重する関係性が増えていくと、
人間関係はもっと楽になり、
きっと心の余白が生まれます。
その余白が、人生をより豊かに、より自分らしくしてくれます。



アサーティブコミュニケーションは
本来のあなたで生きていくために
必要なものだと思いますので
一歩ずつ進んでいけますように…!









